歯科コラム

歯周病を1週間で改善する方法があるって知っていますか?


 皆さんは一生のうちで多少は虫歯ができてしまったり歯周病になってしまい、その結果歯を抜くことになってしまっても多少はしょうがないことだと思っていませんか?

実は赤ちゃんの頃からお父さんお母さんの正しい知識があればその子供は一生虫歯や歯周病をゼロにすることができます

「赤ちゃんの頃からやらなければだめなんだ」とがっかりしないでください。

今からでも決して遅くはありません。以前虫歯や歯周病でどんどん歯を失ってしまい、入れ歯になった患者さんでも劇的に改善し、新たに歯を失ってしまうことがほとんどなくなった患者さんは沢山いらっしゃいます。

今回のブログでは、その基本的な方法と新しいトピックスについてお伝えしたいと思います。

あなたはなぜ虫歯や歯周病になってしまうかご存じでしょうか?

前のブログに何回も書いていますが虫歯や歯周病は口腔内にいる細菌が原因で起こるものです。  またそれを助長するのが生活習慣なのです。

では、具体的にはどうしたらいいでしょうか?

まずは原因になる虫歯や歯周病の細菌を可能な限り減らすことです。 すなわち歯ブラシやフロスを正しく行うことです。

そして歯ブラシやフロスの習慣を毎日の生活にしっかり折り込み、原因菌を増大させてしまう甘いものの間食を止めることです。(生活習慣の改善)

理屈はとても簡単ですね。

でも、あなたは頑張れますか?

残念ながら通ってきてくれている患者さんの95%の方は直ぐに出来る人はいらっしゃいません。

それはそうですよね。

生活習慣を変えるって本当に大変です。

「今日は忙しかったから」「今日は疲れたから」「フロスするのを忘れた・・・今日これからやるの面倒だから明日すればいいかな」

いろいろな言い訳をして自分の行動を正当化するのが人間です。

残念ですが言い訳をしている間は虫歯や歯周病はなくなりません。

今回は特に歯周病の治療方法に的を絞って、今までのような苦労をしなくても治療結果を劇的に短縮できる方法についてお話させて頂きます。

治療が困難を極める重度の歯周病を、1週間で劇的に改善できる方法とはどんなものなのでしょうか?

それは歯周内科治療という方法です。

歯周病も虫歯も細菌が原因です。基本的には虫歯や歯周病は歯磨きやフロス、そして生活習慣を直せば管理改善することが出来ます。

しかし歯周病の重症者は何年経っても改善できない人がほとんどです。 その原因は歯周病の成り立ち方にあります。 歯周病菌は歯ぐきのポケットと言われる隙間にいます。 歯ぐきのポケットの中はウォーターピックと言われるお口の中を洗浄できるジェット水流のような道具を使っても決して取ることはできません。ましてや歯ブラシやフロス、歯間ブラシでも完全に取ることはできません。

原因菌である歯周病菌は届かない場所(歯周ポケット)にいるからです。

歯周内科治療は歯周病の原因菌そのものを劇的に減らすことが出来る方法なのです。 

今までの歯周病の基本的な治療の手順は原因菌の除去=歯石や歯垢の除去、そして徹底的な歯ブラシの練習です。

そこが出来るようにならなければ、原因がなくならないので良くなれないのです。

そのために、ある程度の結果=歯ぐきから出血しなくなる・腫れが収まるまでには何か月もかかるのです。

最後のポイントは歯みがきが上手になるかどうかなので、何年も通っていても改善しきれない(磨き残しが多い)患者さんが多くいらっしゃいます。

しかし、歯周内科治療は1週間で劇的に改善します。

それは、歯周病の原因が無くなるからです。

しかしながら、基本は大切です。

まずは基本について知っていて欲しいと思います。これを知っているか知らないかで最終結果は全く異なっていきます。なんとなく歯磨きをしている方と、「何故歯を磨かないといけないか」を知っている方では私たちの実感・実績として結果が違っています。

絶対に基本は知っていて欲しいです。

虫歯や歯周病ができてしまう原因を理解する

患者さんに「なぜ虫歯ができてしまうか知っていますか?」 と質問しても正確に答えられる人はまずいません。皆さん虫歯ができる原因を知らないのです。

なぜ歯を磨いているか意識している人も実は少ないです

「虫歯が出来るから」「いやなんとなく磨いている」「小さい頃から磨いていたから」「ご飯を食べたら歯を磨くんでしょ」  そのぐらいにしか考えていない方がほとんどです。

では「虫歯が出来るから」と答えられた人に「何故、歯を磨くと虫歯を防げるのですか?」と質問すると答えはあやふやです。その方たちのほとんどの答えは「食べ物のカスがとれるから/取るから」です。

でもそれはちょっと違います。

食べ物のカスが付いていてもそれだけでは虫歯にはなりません。虫歯になる原因は口腔内にいる細菌が原因なのです。

確かに歯の表面には食べ物のカスも付いています。でも細菌が無ければ虫歯や歯周病にはなりません。細菌は歯についた食べ物のカス、特に甘い物を栄養として増殖し、活発になります。

理屈としてはそのどちらかが無ければ、虫歯や歯周病は進まないのです。 現実的に考えれば食事をとらないことは出来ないので、原因である「食べ物のカスと細菌の複合体=プラークを取る」事になります。

歯ブラシは歯の表と裏についている細菌を取ります

フロスとか歯間ブラシは歯と歯の間に溜まってる細菌を取る為にあります。

歯周病菌の「巣」である歯周ポケットにも歯ブラシやフロス、歯間ブラシは有効ですが、ポケットを効果的に磨くのにはテクニックが必要なのと、ポケット内に届く深さには限界があるので歯周病の重症者は改善しきれません。

ちなみに、洗口剤(リ〇テリンやモ〇ダミンなど)で細菌はなくなるのでしょ?とよく聞かれますが、もし洗口剤が有効であれば、洗口剤を使っていれば虫歯や歯周病にならないのではないのでしょうか?  洗口剤を使っている方で改善した方はいません。という事は原則的には効きません。(全く効かないわけではないのですが、予防できるほど効きません。)

細菌を実際にあなたは画像で見たことがありますか?

ぜひスマホやパソコンで「口腔内細菌 動画」とかで検索してみて下さい。恐ろしい画像を見ることになるでしょう。

当院にも位相差顕微鏡というものがあります。

位相差顕微鏡を使うとお口の中の細菌を直接見ることが出来ます。患者さんにももちろんその場で、自分のお口から採取したプラークの中にいるうごめく細菌を見てもらうことができます。

なんとなく原因を理解するのではなくて、明確に「その理由を知って欲しいのです」

歯磨き・フロスの使い方をマスターする

口腔内のプラーク、即ち細菌と食べ物のカスの集合体をゼロにいかに近づけられるかが大切なのです。

例えば歯を一日3回毎回一時間かけて磨いている人が居るとします。でもその方が歯ブラシしか使わなくて、フロスはしなかったら・・・そのような方は虫歯や歯周病を防げるでしょうか?

残念ながら予防はできません。

歯の間もお掃除をしない限り虫歯や歯周病はなくなりません。

極端なことを言えば一日一回、寝る前に10分かけて、しっかり教わった通りに歯磨きやフロス(歯間ブラシ)を使って磨けるようになれば、かなり予防できるようになります。

多くの歯医者さんでも歯磨き指導は行っていると思いますが、患者さんに確認すると1~2回しか習っていないようです。歯磨き・フロスはとても難しいのです。あなたは1~2回習ったからといって完璧にできるようになりますか?

そのために、当医院では何回でも歯磨き指導をさせて頂いています。

多くの方は2~3年位かかっています。びっくりですよね。嫌になりますよね。

でも、頑張って私たちの話を前向きに捉えてくれて、頑張った患者さんのお口の中は見違えるほど健康になります。虫歯の治療も、本格的な歯周病の治療も遠ざかっていきます。 私(ドクター)の出番はほとんどなくなります。「先生久しぶり!」なんて患者さんに言われます。

しかし、多くの方は脱落します。

誰でも、毎回来るたびに「自分が出来ていないこと、自分の生活習慣の悪い所を指摘される」とすれば、いい気分がする訳はありません。私たちもそれは十分、分かっているのです。

では、簡単に1~2回歯磨き指導を受ければ大丈夫ですか?  何も言わない方が良いですか?

出来ていないことを指摘されて、脱落した患者さんが久しぶりに訪ねてくるとそれはそれは残念な事になっています。 原因がなくなっていないし、改善もしていないので悪くなるに決まっています。

反対に、一度徹底的に歯磨きを頑張ってマスターしてくれた患者さんが、例え何かの理由で1~2年ぶりに来院しても、大した問題を抱えていないのです。

その差は歴然です。

生活習慣を改善する

これが一番大変ではないですか???

歯磨きをする習慣がない方は殆どいませんが・・・(中にはいらっしゃいます。歯を磨く習慣がない方が 💦 もちろんお口の中は想像を絶する状態です。でも本人はそれが普通なんです。)

まあ、特別な方は置いておいて・・・

毎日、歯磨きをしている方でもフロスまでしていない方は多くいらっしゃいます。フロスが毎日出来るようになることはかなりハードルが高いです。(ここで、「えっ?! フロスって毎日するの??? 」ってなった方は問題ありです。毎日半分しか歯を磨いていないのと同じです。)

歯間ブラシも本当に大変です。  歯ブラシを動かす方向と歯間ブラシを動かす方向は全く違います。 

出来るようになった患者さんは、本当に素晴らしい努力の結果です。

来院当初はコンタクトケア(フロスや歯間ブラシをすること)をやっていなかった患者さんがやってくれるようになった時、スタッフみんなで喜んでいます。凄い進歩です!!!

このコンタクトケアの習慣ですが、もし小さいころからお父さんお母さんが我が子に毎日寝る前の習慣としてやってあげていたら、その子の人生はどんなになっていたと思いますか?

虫歯や歯周病から縁遠いのではないのでしょうか。

それほど生活習慣を変えるって大変な事なのです。

そして歯磨きの習慣ともう一つ大切な習慣が食習慣です。

セルフケア(自分で行う歯磨きやフロスなどの事)が90点取れる方でも、甘いおやつや甘い飲み物を食事と食事の間(食間)にちょこちょこ取っていると虫歯は決してなくなりません。

最初いらっしゃった頃はちゃんと歯が磨けていないために虫歯が多くて困っていた患者さんが、90点を取れるほどの「歯磨きの腕前」までに上達しても、虫歯が一向に無くならない患者さんがいらっしゃいます。そのような方は数か月に1回は歯を削って治療をすることになります。

その方の共通項は間食です。  甘いものがやめられないのです。  少なくなっても可能な限り「ゼロ」にならなければ改善はしきれません。

ちなみに食直後なら大丈夫です。その後にきちんとケアをして間食を避ければかなり改善します。

おまけの話ですが、「体は全て食べ物からできています」炭水化物を下げてタンパク質をしっかり取り、ビタミンも十分に補給(果物や野菜では不足です)する事で病気にならない体を作ることが出来ます。  またそのうち、そのことについても触れていきたいと思います。

当医院では治療のゴールをお話しすることが多いです。

治療のゴールとは虫歯や歯周病を治す事ではないのです。虫歯や歯周病になってしまう原因をなくすことなのです。

そうです、ここまで読んで頂いた方には理解できるのではないですか?

ゴールとは「自分でパーフェクトに歯が磨けるようになることや食生活の習慣の改善、即ち生活習慣の改善」の事なのです。歯磨きの点数ならば90点くらいをゴールにしています。そして、間食に甘いものを取らないことです。

将来、80~90歳になった時、自分が健康でいたければ、逆算して「今、しなければならないことを明確にして実行する」以外に方法はありません。  毎日が大切なのです。

歯周内科治療とは?

今まで一般的な治療方法について説明してきましたが、今までの歯周病の治し方だととにかく歯磨きが出来るようにならなければ結果に繋がらない=歯周病は改善しないのです。

歯周病を改善するためには何回も歯石を取りに通い、何回も歯ブラシ指導を受けてやっと改善してきます。

歯周病が良くなるまでは出血に悩まされたり、歯ぐきの腫れは完全には良くなりません。歯石や歯垢の除去(スケーリングという治療)の時にも出血や治療の痛みはありがちです。

新たに提案する歯周内科治療の凄い所は「初めに原因を改善してしまう」ことです。

そのために、歯ぐきからの出血はなくなり、歯ぐきも引き締まるので歯ブラシも治療も楽になるのです。  そして磨きやすくなった状態から歯磨きをマスターすればいいのです。 歯磨きが上手にならなければ歯ぐきの改善が出来なかった今までの治療方法とは考え方が全く異なります

そして、さらなるメリットがあるのです。

それは菌血症を避けられることです。

私も勉強不足でしたが、スケーリングやルートプレーニングと言われる歯周病の治療をしていると歯周病が進んでいる方は必ずと言っていいほど出血します。

歯周病が進んでいるとポケット内の歯ぐきの組織は脆弱になっています。 歯磨きをして出血すると(=毛細血管が破れる)破れた毛細血管から歯周病菌が体の中に入って行きます。  私もそれは知っていたのですが、歯周内科治療を勉強してみると、体の中に入って行く歯周病菌の量は驚くほどの量だったのです。

ある実験で歯周病の治療直後に採血をして、その血液を培養すると血液の中には歯周病菌がすでに入っているのです。  とても驚くべきことでした。

ということは歯磨きや治療を行う過程で出血すれば、そのたびに血液の中に歯周病菌が入っていってしまうということですね。 

実は出血しなくても歯周病菌が活発に活動しているときは毛細血管の壁を通り抜けて常に体の中に入り込んでいるという研究結果があります。

その事実がわかったのでこれからどのように歯周病の治療を進めて行ったら良いのか考えれば答えは歴然だと思います。

まずは歯周病菌を失くしてから、歯周病の治療や歯磨きの練習をすれば菌血症にもならずに安心して焦らずに治療を進めることができるのではないでしょうか。

しかし前にも書きましたが歯周内科治療しただけでは終わりではありません。  歯周内科治療でお口の中にいる細菌がゼロになった訳ではありません。  歯周病の原因である細菌の種類のみがほぼなくなっただけであり、依然としてお口の中にはほかの細菌は依然と同じようにいるのです。  そのため歯磨きが上手になりプラークがちゃんと取れるようにならなければ、ごくわずかに残った歯周病菌がまた増殖する可能性は充分にあります。

治療に余裕ができたことは間違いないのですが、基本の3つ、「原因を知る・歯磨き・フロスの使い方をマスターする・生活習慣を改善する」 は必須です。

私たちは患者さん方が、一生ご自分の歯で豊かな食生活を送れることを何よりも希望しています。

そのために必要な基本の3つをマスターしてもらうため、お手伝いをさせて頂きたいと思っています。

※歯周内科治療は保険診療では認められていない治療です。そのために自費診療になります。

歯周内科治療は「治療」だけではなくて、効果があるか判定するためにPCR検査も行います。 もうすでにPCR検査についてはコロナの時に耳にしていると思いますが、どの様な細菌がいるのか判定するために行われるものです。 とても費用が掛かります。

そのため、歯周内科治療は高価です。

しかし、考えてみて下さい。今までのような治療方法がご希望でしょうか?

歯磨きが上手にならなければ歯周病は治らないのです。 

その間にどのくらいの年月が必要でしょうか? 

もし、上手にならなければその結果どうなるか分かりますか? 

歯周病はとても怖い病気です。  脳梗塞や心疾患、腎臓病などの全身疾患に影響していることが判明しています。  また、最終的には歯を支えている骨が溶けてなくなってしまい、次々と歯が抜けてしまいます。 

ぜひ、費用対効果を考えてみて欲しいと思います。

注意ですが、すべての方に適している治療方法ではないので、具体的な治療方法や費用についてはスタッフにお尋ねください。

この治療方法を取り入れている歯科医院はごくわずかしかありません。

歯周内科治療を行うためには国際内科学研究会への所属と,PCR検査を行うための検査機関への加盟が必要です。 現在、研究会に所属している先生は1000名位です。

最後に、歯周内科治療は10年以上の臨床結果に基づいています。  最近の流行りの治療方法ではありませんので安心して受けて頂けると思います。


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