歯科コラム

アラブ首長国連邦 ドバイで行われたドバイ国際歯科会議


Dubai International Convention & Exhibition Center

アラブ首長国連邦 ドバイで行われたドバイ国際歯科会議&デンタルショーに行ってきました。

今回は、令和5年11月のタイでの研修に引き続き、世界の歯科事情はどのように違うのか見たいと思い、ドバイで行われた国際歯科会議&デンタルショーに参加しました。

今回も前回の時と同じ株式会社デントランスの主催で通訳付きのツアーに参加しました。

今回のツアーも全国の先生方が参加するので、日本で待ち合わせをしてみんなで揃っていくツアーではなく、現地集合になりました。

待ち合わせの場所は、デンタルショーが行われているDubai International Convention & Exhibition Centerでした。

未知の国で、本当に待ち合わせ場所にたどり着けるのか?みんなと会えるのか?不安なまま出発しました。

Dubai International Convention & Exhibition Center

今回は、イスラム教戒律の関係で、人物などの撮影が問題になる可能性がある為に撮影を控えめにしました。そのため写真枚数が少なめです。文章メインのブログになってしまうことをご了承ください。

国際歯科会議&デンタルショーについて

ドバイで行われた国際歯科会議&デンタルショー、通称 ”AEEDC Dubai”は講演会とデンタルショーで構成されています。

初日からの2日間は通訳付きで講演会を聞きました。

何か所もホールがあり、いろいろなタイムスケジュールで全世界のドクターが日ごろの成果を発表しています。

その中で私たちは、審美歯科・レーザー・ポーセレンラミネートベニア・インプラント デジタルワークフロー・睡眠時無呼吸症候群・クラウンレングスニング などに講演会を絞って聞いてきました。

審美歯科では、歯の色と詰め物の色のマッチングをどうやって正確に行うかという内容で講演は行われました。

この公演は実際に臨床で歯の色を合わせるときにとても参考になりました。

ポーセレンラミネートベニアやインプラントはデジタル化がさらに加速しており、正確に精密に治療が可能になっていくステップを見ることができました。

レーザーは特別進歩を遂げているわけではありませんが、販売している機械はいろいろな点で改良が進んでいます。

今回のレーザーのセミナーは、日本のレーザーの第一人者である永井先生の講演でした。永井先生の講演は安全性とリスクについてとてもわかりやすく講演されていました。

私もレーザーは診療に取り入れたいと常々考えております。

レーザー治療は、機械の種類(レーザーの波長により)によりいろいろな特徴を持っており、1つの機械で何でもできると言うものではないのです。

今回もデンタルショーの会場では、何種類ものレーザー機器を展示しており、高いものでは1200万円位するものもあります。とても何台も購入するわけにはいかないので、各々の特徴をしっかり勉強して選んで診療に導入していく必要があります。

その中で私が取り入れたいと思っているのは、エルビウム・ヤグレーザー(Er.YAG) と言う種類です。

この波長のレーザーは麻酔をしないで、歯石を取ったり、歯 ぐきの整形をしたり、歯ぐきのメラニン沈着をきれいにしたりすることができる波長になります。

近々、ぜひ当院の診療メニューの1つとして、レーザー治療も取り入れたいと思いました。

実は公演の後、永井先生とはこのセミナーの主催のデントランスの配慮でツアーの参加者と先生のみを対象として1時間の特別講演と、食事の機会を作っていただけました。

レーザーの第一人者の永井先生と直接いろいろなお話ができました。普通のセミナーに参加しても個人的にはたくさんの質問をすることができないので、貴重な時間を過ごすことができました。そしてレーザー治療の確信を得ることもできました。これは前回のタイツアーでも同じです。

インプラントと口腔内スキャナーによるデジタルワークフローの発表として、地元のドバイで働いているファイザル先生の講演を聴講しました。

ファイザル先生は、当院と同じ口腔内スキャナMedit i 700 を使っており、インプラント治療に120%活用しています。

インプラント治療で肝心なのは、インプラントを埋める位の正確さ(mm単位)、他の歯や他のインプラントとの並行性、解剖学的な注意がとても大切です。

そのために口腔内スキャナと歯科用のCT(レントゲン:CBCT)を組み合わせてステントやジグと呼ばれる正確に埋入するための補助の道具を3Dプリンターにて作製します。それを使うことにより、勘で行っていた治療とは遥かに違う精度で位置・方向性・安全性を持ってインプラントを埋入することができます。

ファイザル先生は歯がほとんど残っていないような、とても難しい症例でもMedit i 700 を使いこなし見事な治療をされていました。

Medit i 700のメリットは口腔内粘膜も読むことができることです。他の機種では意外とこの部分が不得意なものも多いようです。

私も今回の講演を参考に当院にあるMedit i 700 を活用するようにしたいと思いました。

またこの先生とも勉強会と食事会の機会を作っていただき、デンタルショーの講演とは、少し違った内容の講演を、デンタルショーの前日に1時間ほどの通訳付きのセミナーを開催していただけました。

他には睡眠時無呼吸症候群と言う病名を聞いたことがある方も多いと思いますが、その先生の講演も通訳付きで聞くことができました。

この先生曰く、睡眠時無呼吸症候群がある方は、死亡率がが5%も上がるそうです。

厚生労働省も、睡眠時無呼吸症候群の相談窓口として、歯科医院を勧めています。

気になる患者さんは専門機関への紹介も当院で行っておりますので、ぜひお声掛けください。

皆さんも、意外と睡眠時無呼吸症候群は気が付きにくいので、グーグルなどで検索してみて、チェック項目を見て下さい。

講演以外のデンタルショー

他にはデンタルショーとして全世界の歯科メーカーが展示をしており、広大な展示ブースを見て回りました。

やはり多かったのはインプラントの展示がすごく多く、その他では歯科用の診療台(歯科用ユニット)が多く展示されていました。

聞いたことも無いようなメーカーから診療台が何種類も出ており、日本の国際デンタルショーでも見られないような、私が診たことも無いメーカーも本当に多くありました。

こうして海外を見て回ると私の知らないものが本当に多いことが実感できました。

今回デンタルショー以外にも歯科医院の見学にも行きました。

そこでは先ほどもお話しした口腔内スキャナーと歯科用レントゲン(CT)、3Dプリンター、スタジオによる顔貌や口腔内の撮影などを駆使し、専用ソフトでの解析・治療計画の立案などをしたうえで、パソコンでの術前、術後のプレゼンなどトータルで行うデジタルワークを進めている総合の歯科診療所を見学しました。

そこでは歯の根っこの治療や歯周病の治療の専門医、かぶせ物や詰め物をする専門医、また全体の治療計画を立てるコーディネーターなど専門家による診療が行われていました。

ドバイでの歯科治療はもちろん保険はありません。すべて自費診療になります。治療費は莫大なものになると感じました

今回のドバイのツアーは4日間でしたが、主催の会社デントランスが今後ドバイのフォローアップセミナーを行う予定です。

インプラントのお話をしてくれたファイザル先生やレーザーの永井先生方と勉強するチャンスも後日改めて準備されています。

とても楽しみです。

その他、今回のツアーではドバイで会社を作り、経営に成功している日本人の経営者たちとの勉強会も行われました。

この方たちの考え方はやはり全く違うもので、私の今までの常識を覆すものでした。

ドバイってどんな国?

最後に皆さんもドバイってどんな国なのか少し気になる方もいらっしゃるかと思いますので、私が見て・体験してきたドバイについて少しお話ししたいと思います。

今回、私は成田空港からの往復を選びました。エミレーツ航空を使い行ってきました。

羽田空港からも直行便はありますが、今回は行きが11時間半、帰りは9時間半のフライトだったので、少しでも楽な旅が良いと思い、エミレーツ航空を選択しました。

飛行機に少し詳しい方ならご存知かもしれませんが、エミレーツ航空はボーイングA-380と言う2階建ての航空機を使っています。そのためバリエーションに富んだ少し広めの席も用意されており、より快適な空の旅を楽しむこともできるようになっています。

ドバイへの出発は2月6日の診療が終わってからでした。

診療が終わってから急いで成田空港へ向かい、夜の22時半ごろ出発の飛行機に搭乗しました。

ドバイ国際空港に着いたのは現地時間の朝の6時ごろです。(飛行時間11時間半)

まずは空港に到着したらSIMの設定からです。いつもなら現地のSIMを日本で準備してから行くことが多いのですが、現地のコーディネーターさんに聞いたら現地での入手も簡単と聞いていたので、そうすることにして行きましたが・・・

ちょっと苦労をしてしまいました。

到着ゲートを出たところにスターバックスがあるので、一息入れながらSIMの設定を何とか終わらせました。

そこからデンタルショーが行われている会場まで向かうのですが、会場まで行くにはタクシーかメトロと呼ばれる電車の2択でした。今回は時間があったので安価なメトロを利用しました。

最初は良かったのですが途中からすごいラッシュになりぎゅうぎゅう詰めでした。

メトロの面白いところは女性専用車両があるのですが、それ以外にも高額な運賃を払うと乗れるお金持ち専用車両があるのです。言ってみればグリーン車みたいな感じです。通勤用の電車にこういうのがあるのがアラブ首長国連邦なのでしょうか?びっくりしました。

タクシーについてですが、タクシーは地元の方もかなり利用するようで、今回はGrabのタクシーを使いました。外国でよくあることですが、道端で手を挙げてタクシーを拾うこともできるのですが、タクシーの運転手さんの適当な言いなりの金額になるため(交渉も出来ますが、英会話得意でないので・・・)、アプリを使って車を呼んだ方が行き先の指定や金額の不安がないためとても便利でした。

今回タクシーをたくさん使うことになりましたが、先生方4人ぐらいで同乗して割り勘で乗車したため、安く移動することができました。

ちなみに金額ですが、日本よりは安いと思います。30分ぐらい乗って3000円位でしょうか?

今回は天候に恵まれましたが、気温は15度から25度位の間だったと思います。ドバイの中心部には海が近いところもありビーチもあります。中には泳いでいる海外の人たちも結構いらっしゃいました。海はまだ冷たかったです。

真夏には40度越えの気温になるそうで、現地の方に聞いたのですが、外を出歩くのは15分が限界だそうです。そのために移動は電車やタクシー、自家用車がほとんどみたいです。

ちなみに車は高級車が多かったです。しかし自家用で車を買う場合、中古で車を買う方がほとんどで、日本と違っていろいろな税金がつかないために結構安く買えるそうです。羨ましいです。

1つ聞いた話ですが、会社で車が必要なためスマホでネット注文をしたら次の日に車が届いたそうです。すごいですよね。

あと食事ですが、アラブ料理と言うのでしょうか? 私は基本的にはアジア料理など、香りが強めの食事は大好きなのですが、地元の料理は私の口には合いませんでした。

もちろんピザや日本食、中華など探そうと思えばいくらでもあります。しかし、折角ドバイに来たからと、コーディネーターの方が地元の料理が食べられるお店を準備してくれました。しかし、他の先生方もあんまり口に合わなかったみたいです。でもとてもいい経験です!

食事の料金は少し高いです。観光地のレストランで食べるとランチの時間でも一食2000円から3000円位かかります。

一方で、食費について地元に住んでいる人たちに聞いてみると、一食500円位で食べることもできるそうです。

自炊したり節約しようと思えば食費は1ヵ月で50,000円位で済むそうです。(日本の観点で見るととても高いと思わる方もいらっしゃるかと思いますが、ドバイの物価を考えるとすごく安いです。ちなみに、タイでは1食200円くらい、ひと月で2万円くらいで過ごす方が多いそうです。基本的にドバイは物価が日本と比べると高いですが、どちらかといえば、世界の先進国と比べると日本が安すぎると言えます。)

そしてとても安全な国で、夜中に女性が1人で歩いても安心していられるそうです。聞いた話ですが、落とし物をしても9割ぐらいは自分のところに戻ってくるそうです。

海外はやはり自分で体験してみないとわからないと今回のツアーでも思いました。

ドバイは私が思っていたイメージよりもはるかに安心安全な国でした。

またお店などのスタッフも明るい方が多く、出会った人たちは愛嬌良く対応してくれました。

今回のドバイでの経験を活かし石崎歯科医院の診療に反映していきたいと思います。

長いブログでしたが最後まで読んで頂きありがとうございました。

患者様により良い診療を提供していきたいと、心から思っております。

宜しくお願い致します。

最後に、優秀なスタッフのお陰でツアーに参加できました。私がツアーに参加している間に留守をしてくれていたスタッフに感謝です。


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