歯科コラム

歯はなぜ大切?歯を磨くのって面倒ですよね。


Perfect white teeth smile of a young woman. The result of the teeth whitening procedure. The image symbolizes oral care dentistry, Closeup on a white background.

皆さんは毎日一生懸命に歯を磨いて大切にしていると思います。

でも面倒くさいですよね?

たまに、ほとんど歯が磨けていない患者さんがいらっしゃいますが、あまり磨かない理由を聞くと「面倒くさいから。」という回答が多いのです。

その様な患者さんは間違いなく将来歯が無くなってしまうでしょう。

でも、そのような方でも「自分はしっかり歯を磨いていない」ということを自覚していらっしゃる方がほとんどです。

将来自分はきっと歯が駄目になってしまうと薄々分かっているのです。

でも具体的に「歯が駄目になる」っていうイメージは全く湧かないのです。

歯を磨く理由で大切なのは「虫歯にならないように」「歯周病にならないように」とか単純な理由だけではないのです。

もっともっと深いところに理由があるのです。

私たちはそのような方々に「なぜ歯は本当に大切か」をしっかりお伝えしたいと考えています。

歯を失う原因については前にもお話しましたが、虫歯と歯周病が歯を失う原因です。

そうなってしまう理由はもちろん歯磨きなどの生活習慣に問題があるからなのです。

虫歯や歯周病は生活習慣病です

生活習慣とは?

簡単に言えば歯や体を大切にしない生活パターンが原因で歯や体が病気になってしまう事です。

悪い「生活習慣」には例えばどんなものがあるでしょうか。

  • ・歯を磨かない (歯ブラシをちゃんとしない。フロスをする習慣が無い。)
  • ・食間におやつや砂糖入りの飲み物を頻繁に取ってしまう。
  • ・栄養のバランスを考えない
  • ・食事が炭水化物ばかり
  • ・ビタミンを取らない (フルーツや野菜では全く足りません)
  • ・野菜を食べない (食物繊維不足)
  • ・タンパク質(お肉屋お魚、大豆製品など)を必要量取らない
  • ・お菓子ばかり食べている
  • ・塩分が多い

(体に良いメニューをいろいろ考えていると何を食べたら良いのか考えるのが面倒になります)

  • ・テレビやスマホに夢中で食事している (消化に悪い・姿勢が悪い)
  • ・寝る直前に何か食べる
  • ・運動不足

などなど・・・

でも、それを意識できるか無視するかで将来の歯や体の健康に大きな差が生じるのです。

他にも生活習慣に関することで気を付けなくてはいけない事があります。

意外と気づきにくいけれど大切な事なので知っていて欲しいと思います。

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親の生活習慣を「当たり前」だと思ってしまう事

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生まれた時からいつでも一緒にいるのはもちろん両親だと思います。

一緒に生活して行動を共にしているので、子供は何の疑いもなく「親の行動は、自分の常識」になっています。

例えば・・・

・歯を磨くのは夜ではなくて朝。

⇒夜はお酒を飲んで、そのまま寝てしまう習慣なので、歯を磨くのは朝。

・食べ物はおつまみ系

⇒栄養のバランスは考えていない。お酒が美味しく飲める味が濃い目のおつまみ系が大好き

・親が入れ歯を使っている。子供の前で入れ歯を外したりしている。

⇒将来自分も親みたいに入れ歯になってしまうのだな~、と当たり前のように思っている

・食べたいときにおやつを食べる。

・イライラしてくると甘いものを食べると落ち着くと言って、四六時中食べている。

・親が歯は磨くけどフロスはしない習慣。

この様に育ってきた方が治療に来るときには重症になっていることが多いのです。

何の疑いもなく親がとっていた行動を見て育ってきた方たちの「行動(習慣)を変える」のは大変なのです。

歯を失うとはどんな事なのでしょうか?

歯が無くなれば歯を磨かなくて良いのです!

総入れ歯をブラシでササッと磨いておしまいです。

フロスも歯間ブラシも要りません。

楽ちんですよね 笑

意外と自分の歯が無いって「良い」のでしょうか?

総入れ歯(に近い方も含めて)のお話をします。

結論を言えば・・・

「食事がしにくい」です。

「食べる楽しみ」がかなり少なくなっていると感じます。

  • ・噛み切りにくい
  • ・見た目も良くない (金具が見えたり、皴が目立ったり・・・)
  • ・発音しにくい・お話しにくい
  • ・上手くお話出来ないから会話がおっくうになる (お友達に知られたくない)
  • ・食べた後に食べ物のカスが口中に残る
  • ・ゴマなど細かくて硬いものが義歯の下に入ると飛び上がるほど痛い
  • ・入れ歯が当たって傷が出来ると、痛くて上手く食べられなくなるし食べるのがおっくうになる
  • ・あれは食べられるけどこれは食べにくい(硬いものが大好きだったけど今は食べられない)
  • ・話していると入れ歯が飛び出そうになることもある
  • ・食べ物のカスが溜まって、すぐに義歯を外して口をゆすぎたくなる
  • ・他人との会話が少なくなると刺激が減ってしまい、老化(認知症なども含めて)が進む
  • ・食べやすいものばかり食べるようになり、栄養に偏りが出て体力が低下して歩けなくなる
  • ・歩けなくなると面倒で運動しなくなる
  • ・寝たきりになる

良いことは?

外して洗えば楽ちん?・・・

(でも多くの大型の入れ歯を使われている方は、やはり歯磨きの習慣が身についていないのか・・・入れ歯も汚れている方が多いのです。)

入れ歯は洗うのは便利かもしれませんが、入れ歯に付いた汚れはなかなか頑固で落としにくいため、いつも汚れた入れ歯を使っていると肺炎を起こす可能性が高くなります。

やはり「歯があっても無くても、磨かないという習慣はなかなか変えることは難しい」のです。

「歯を失わない」ということはなぜ大切なのでしょうか?

「歯が無くなったら、入れ歯を入れればだいじょうぶでしょ!」という考えは捨てて下さい。

自分の歯の機能が100点だとしたら、入れ歯は20~30点しか機能しません。

到底自分の歯の能力にはかないません。

きっと気づいていないと思いますが、皆さんが一生懸命に歯を磨く本当の目的はここにあるのです。

  • ・将来、年老いても自分の歯が揃っていて何でも好きなものが食べられる。
  • ・いつまでも家族やお友達と同じものが食べられる。
  • (意外とこれをマイナスと感じる人は多いです)
  • ・会話が楽しい。
  • ・旅行に行っても周りの人に気を使わないで何でも食べられる。
  • ・何でも食べられるから健康。
  • ・何でも食べて、体力もあるからどこへでも出かけられる。
  • ・寝たきりにならない。

などなど・・・

人は長生き出来るかどうかは分かりません。

でも、生きてる間は健康でいたいと願うはずです。

病院のベッドで寝たきりで残りの人生を過ごしたくないはずです。

今現在の問題(虫歯になるから・歯周病になるからなどの単純な理由)ではなくて、

「一生涯、価値のある人生を送るため」

に自分の歯は健康の基本中の基本として大切なのです。


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