歯科コラム

お気に入りのフロスの見つけ方


高円寺 フロス 歯医者

今回は歯科衛生士歴6年目の川口がフロスについてお話していきます。

みなさんフロスを使っていますか?

使っている方はお気に入りのフロスがありますか?

このブログを最後まで読んだ方はきっとフロスが使いたくなるはずです。

予防歯科で有名なスウェーデンでのフロス使用率は50%程で、2人に1人がフロスを使っているそうです。昔と比べると日本でも予防歯科という言葉が浸透してきて、セルフケアの重要性が認識されてきました。しかし、日本人のフロス使用率は20%だと言われています。

あまり使われていない理由として

  • ・使い方が難しい
  • ・歯ブラシでも綺麗になっていると思っている
  • ・面倒くさい
  • ・フロスがひっかかって取れなくなる
  • ・詰め物が取れると思っている

などがあると思います。

フロスを使っていたら詰め物が取れたことがある人もいると思います。

フロスで取れてしまうということはもうすでに接着剤が剥がれていたということです。 それなので怖がらずに使ってほしいです。

フロスを使わない方が歯にとっては良くありません。

患者様が一番虫歯になってくるのが歯と歯の間です。

歯ブラシで磨ける部分は表面だけで限界があるので歯と歯の間は当然歯垢が残ったまま、食べ物も詰まったままになります。

しかも歯間から虫歯になりそこに詰め物をしたのであれば、少なからず詰めたものの段差が出来てしまうので何も詰めていない歯と比べたら虫歯になるリスクは高くなります。

もし、フロスを使った際にひっかかってくるようなら虫歯になって穴が開いているか、詰め物に隙間が空いていたり、歯石が着いているということが分かります。

フロスを使うメリットは他にもあります。

歯周病の改善や口臭予防に効果があるのはご存知ですか?

口臭の原因は歯周病や食べ物、内科的な疾患などいくつかありますが、特に歯周病の方は独特なにおいがします。このにおいは歯周病菌の匂いです。

例えるならドブのようなにおい・・・。

自分で気付くことは少ないと思います。周囲の人に指摘されたり、マスクをつけた時に気付くようです。

しかし、「口が臭い」と言ってくれる人は家族くらいではないでしょうか。その為、自覚のない方が多いです。

フロスを使った後に、においを嗅いでみて下さい。それが歯周病のにおいです。周りにも臭っているかもと思ったほうが良いです。

食べ物の匂いは時間がたてば消えますが、歯周病のにおいは毎日のセルフケアをしっかりやることで改善していきます。

フロスの種類について

フロスにも様々な形状や種類があります。

  • ・ホルダータイプF字Y字
  • ・糸巻きタイプ

使われている糸も色々あり、ワックスがついて滑りがいいものや水分に反応してスポンジ状に膨らむものなどがあります。

いろいろなフロスがあるのでどれを選べばいいか分からないですよね。

ホルダータイプは柄が付いているのでお口の中に入れやすく使いやすいです。初心者の方は挑戦しやすいと思います。でも、糸が細かったりワックスが付いていないので滑りが悪く歯間に入れにくかったりします。

しかも糸が張っている状態なので歯の形に添わせにくいのが欠点です。

F字の物に比べるとY字の形になっている物の方が奥に入れやすいです。

糸巻きタイプは自分で糸を切って指に巻いて使うので、歯の形に添わせられます。その為、ホルダータイプと比べて効率よく歯垢を取ることができます。そして経済的です。

ただ、手の大きい方や不器用な方は使いにくいと感じることがあるかも・・・。

ポイントとしてはワックスがついているものを選ぶようにしてください。歯間に入れやすいので歯肉に刺さりにくいです。ワックスなしは歯垢除去率が高いですが滑りが悪く通しにくいので上級者向きです。

たまに「フロスをしても何も付いてこないです」と言われる方がいます。

糸に色がついた物もあるので、それを選んでもらえると歯垢が取れているのを確認できるので、やりがいがあると思います。

おすすめのフロス

私が特におすすめしたいのはフロアフロスです。

糸巻きタイプなのですが、このフロスを一度使うと他のフロスには戻れなくなるほど、歯間の歯垢をごっそり取ってくれます。

384本の糸が束になっていて、歯茎を傷つけずに優しくケア出来ます。

私がメンテナンスで見ている患者様にもとても好評です。

Aさんの場合、使っていたフロスがなくなったため、代用として他のフロスを使っていたのですが、メンテナンスで染め出しを行った際、いつもより多く歯垢が残ってしまいました。普段の2倍以上染まってきたのです。

(当院では予防の為3カ月ごとにメンテナンスで通院されている患者様に対して、磨き残しのパーセンテージを記録しています。その為、前回との比較ができるようになっています。)

この事からやはりフロアフロスはよく歯垢を取ってくれることが分かりました。

他の患者様達も一度フロアフロスを使い始めると他のフロスとの違いを実感しており、使用感を気に入って頂けています。リピートしている方がほとんどです。

普段からフロスを使う方ほど違いが分かると思います。もちろん、初心者の方も使いやすいんじゃないかなと思います。

SNSでも話題になっており、芸能人の方にも愛用している方がいるようです。

フロアフロスのサイズは2種類あり、

  • ・持ち運びに便利なコンパクトタイプ(45m)
  • ・家族みんなで使える大容量タイプ(250m)

詰め替え用もあるので自宅で使うだけなら大容量タイプの方がコスパ良しです。

私は、自宅で使用するときは大きいもの、旅行や出先で使用するときは小さいものといったように2つとも使用しています。

フロスの使い方

フロスの使い方が分かっていないと難しく感じるかもしれません。コツさえ掴めば使えるようになります。

糸を30~40センチ程切る。(目安は指先から肘まで)

中指に糸を何周か巻き付け、もう片方の中指にも巻いていく。

人差し指の指先で糸を張る。

ポイント:この時、糸の幅が長いとやりにくいので、極限まで短くしてください。(1センチくらい)

左右に振りながら歯間にゆっくり入れていき、歯の側面にしっかり添わせる。

両方の歯の側面を各3~4回以上こする。

ポイント: 痛くないところまで歯肉の中に糸を入れてください。ここに歯周病菌が繁殖しています。血が出る場合がありますが、歯周病によって炎症が起きているのでしっかり菌を減らすことが大切です。使っていくうちに出血は減っていきます。

もし引っかかって抜けなくなった場合は横に引き抜くようにしてみてください。引っかかるところは正常ではない場合がほとんどなので、歯科医院で相談することをおすすめします。

まとめ

最初から上手にできる人はあまりいません。

私もはじめのころはなかなか上手くできなかったのですが、何回も使っていくうちに、コツを掴んで出来るようになっていきました。

何回も何回も繰り返しやらないと上達しません。歯ブラシも一緒です。

石崎歯科医院では出来るようになるまでサポートしています。

中には口うるさく感じる方もいるかもしれません。

しかし、歯を綺麗に磨くことが出来れば予防できるはずなのに、何も知らないままで悪くなっていくのを見過ごすことは出来ません。

自分の歯の状態を知ってもらう、そして関心を持ってもらうことが将来歯を失わない為の一歩だと思います。

歯が悪くなって、歯を失ってから後悔している方がたくさんいます。

私たちはなぜ悪くなってしまうのか原因を追究し、患者様の求めている理想の状態を実現したいという思いで日々診療に励んでいます。

歯周病の治療や虫歯の予防をお手伝いすることが歯科衛生士のお仕事です。

歯科医院でのクリーニングを行った後、お家でのセルフケアがしっかり出来ていないと絶対に良くなることはありません。

自分を治療出来るのはあなた自身なのです。


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